9 2011 新刊案内 東京創元社

【MYSTERY通信(海外)】
本邦初紹介となるMWA賞作家ボルトンの『三つの秘文字』は、伝説と陰謀に彩られた渾身の傑作。クリーヴスと同様にシェトランド諸島を舞台にしつつも、まったく異なる衝撃を読者に与えます。ケラーマン『木星(ジュピター)の骨』はリナ&デッカー・シリーズ第11弾。カルト教団の教祖殺しにデッカーが挑みます。ローザン『シャンハイ・ムーン』は人気の私立探偵小説第9弾。今回リディアが挑むのは、50年近く前の上海に端を発する、幻の宝石をめぐる事件。わけあって最初からは出てこない、ビルの登場シーンにも注目です。

【MYSTERY通信(国内)
先日日本推理作家協会賞を受賞したばかりの表題作ほかを収録した、深水黎一郎の傑作短編集『人間の尊厳と八〇〇メートル』が登場。昨年の鮎川哲也賞受賞者・月原渉の第2作『世界が終わる灯』もお目見え。少女2人が翻弄される、ニュージーランドの豪華寝台列車での密室殺人の行方にご期待ください。同じく鮎川哲也賞受賞者の森谷明子が贈る、図書館で起こる小さな謎を描いた『れんげ野原のまんなかで』、出版社の新人営業マンが奮闘する短編集、大崎梢『平台がおまちかね』など、盛りだくさんでお贈りします。

【創元SFクラブ】
J・P・ホーガンの突然の逝去から1年が過ぎました。その第1作にして最大のヒット作となった『星を継ぐもの』が、星野之宣さんによってコミック化され、小学館ビッグコミック〉で連載されています。去る6月には単行本第1巻(ビッグコミックススペシャル)が刊行されました。日本からホーガンへ向けた最高の追悼ではないかと思います。原作と併せてお楽しみください。星野さんが手塚賞を受賞した「はるかなる朝」は『星を継ぐもの』の結末によく似ていたのではないかと、いまにして改めて思います。
単行本新刊脇に“第八回ミステリーズ!新人賞決定─受賞作なし”との記事が第九回新人賞募集要項とともにありました。また文庫新刊案内脇には「復刊フェア2011」の案内が。

http://www.tsogen.co.jp/np/archive/fukkan/2011092601

「73光年の妖怪」はフレドリック・ブラウン作品で最初に読んだもの。森でアオカンしたあとで眠りこけた男?女?どちらかに妖怪が乗り移り裸で森を歩きまわる。まあ当時そうとうエロっぽく感じたものです。

東京創元社新刊案内10月は《こちら》にあります