強い物語。ハヤカワ文庫の100冊

昨年の「強い物語。」フェアはわたしの気付かないうちに終わっていたらしい。

http://d.hatena.ne.jp/kotiqsai/20101003#1286104435

…まだ見ていない、と困惑したままで終わっているしその後何かをみつけた覚えもない。一昨年のフェアの際には「上を向いて読もう」という惹句に呆れた記憶が。

http://d.hatena.ne.jp/kotiqsai/20091006#1254828046

今年の「強い物語。」はでもまた大げさ。地震津波原発事故に負けない「物語」をどうぞって言われてもなあ。津波の映像でたまげたのはいくつもあった。リアルタイムのNHKヘリの動画はちょっと足元よろっとしました。原発事故よりそれを知らせないNHKや御用学者(爆発弁!)あとネットで疑義を示すと中傷が飛んでくるとかの社会学的なこわさにもよろっと。3号機爆発の後はさすがにわたしも疎開の可能性を考えたしね。まあそれに負けない物語はあるでしょう、すべての恐怖の根源をこねてまとめて焼き上げたみたいな読み物を誰もが持って入るでしょうが「これがそうです」と示されてもなあ。

物語は、生きています。
2011年、この国は圧倒的な「現実」に襲われました。未だ疼き続ける傷を残したその打撃は、私たちの創造力をも打ち砕いたかに見えました。
しかしそれでも、私たちは立ちあがり、ひとりひとりの物語を紡ぎはじめています。その営みを駆動するものこそが、これまでただ無心に追ってきた活字の力、「現実」に負けない「物語」の力なのです。
「ハヤカワ文庫の100冊」フェアでは、そんな物語の力を信じ、読書を愛するあなたのために、ことしも「強い物語。」たちを集めました。
世代を超えて読み継がれる国内外の名作から、新しいスタンダード、そして旬の1冊まで。前にむかって進みつづけるハヤカワ文庫をおとどけします。

小冊子の1ページ目のお言葉です、いいじゃんやる気じゃん。だったらポケミスでも「こっちのほうがもっと強い物語!」とかやってもいい。文庫に移行せずあちらでしか読めない作家も多いでしょう、ダンジール警部ダルジール警視(間違えてずっと覚えていた)、モース警部、ダルグリッシュ警視長、ジェームズ・ボンドポケミス(ポケットブックスとつい言ってしまいそう)だし、でも87分署は文庫に移動したか。ジョゼ・ジョバンニはもう誰も読まない、マイクル・Z・リューリンも同じ運命か、あっスレッサーは文庫になってないか…なったか。SFブックスも含めてみても100冊フェア―は難しいかな。とはいえハヤカワ、むかしの文庫ほとんど絶版だろ、いろいろ考えるなら歴史ある出版社は電子書肆に転換してもいいとは思うが。