創元推理・SF文庫 2008年7月チラシの紹介

東京創元社 新刊案内 2008・7

アンドルー・ラング世界童話集 5ももいろの童話集
創元推理文庫
ローラ・ウィルソン 日暮雅通=訳
千の嘘

R・D・ウィングフィールド 芹澤恵=訳
フロスト気質 上・下

田中啓文
落下する緑 永見緋太郎の事件簿

柄刀一
御手洗潔シャーロック・ホームズ

永井するみ
枯れ蔵

東川篤哉
館島br>
結城昌治
ひげのある男たち

創元SF文庫
眉村卓
消滅の光輪 上・下

創元ライブラリ
いしいひさいち
大問題'08


野田昌宏氏逝去
SF作家・翻訳家・研究家・宇宙開発評論家の野田昌宏(本名・宏一郎)氏が6月6日午前6時15分、肺炎のため東京都大田区の病院で亡くなりました。74歳でした。1933年8月18日福岡県生まれ「SF英雄群像」「『科學小説』神髄」等の研究書、<キャプテン・フューチャー><スター・ウルフ>等スペース・オペラのシリーズの翻訳、「レモン月夜の宇宙船」<銀河乞食軍団>シリーズ等の創作は、いじれもファンから絶大な支持を受けました。安らかにお眠りください。

MYSTERY通信(海外)
天下御免の仕事中毒、あの名物警部が帰ってきます。ウィングフィールド『フロスト気質』は待望のシリーズ第4弾。例によって管内で続発する難事件の数々に、警部は太刀打ちできるのか? 初紹介のウィルソン『千の嘘』は、一冊の日記帳をきっかけに過去の、そして現在に続く悲劇があぶり出されていく物語です。
MYSTERY通信(国内)
東西二大探偵が対決する『御手洗潔シャーロック・ホームズ』、異形の別荘を舞台に大トリックが炸裂する『館島』、テナーサックス奏者、永見緋太郎の鮮やかな推理『落下する緑』と、今月は本格ミステリが充実。そして永井するみのデビュー長編『枯れ蔵』が登場。昨今話題の食糧問題を扱う傑作をお見逃しなく!
貼雑年譜通信
探偵小説界の巨人江戸川乱歩は、自著の宣伝に精力を傾ける一方、自らは“虚名”と呼んだ名声に閉口する市井の人でもありました。乱歩手製の自伝『貼雑年譜』を読み解きながら長男平井隆太郎氏が往時を回想する『乱歩の軌跡 父の貼雑帖から』は、家庭人・平井太郎としての一面も興味深い大作家を知る好著です。
ミステリ・フロンティア通信
第2回ミステリーズ!新人賞選考会上で、綾辻・有栖川両氏の絶賛を浴びて、見事受賞が決まった「漂流巌流島」。その受賞作を含めた『漂流巌流島』が遂にミステリ・フロンティアから登場します。人使いの荒い映像監督と、彼にいいように使われてしまうシナリオライターが主人公です。巌流島の決闘をはじめ、忠臣蔵の討ち入り、池田屋事件、そして知名度は少し落ちてしまいますが、三大仇討話の一つ鍵屋の辻。監督に言われて集めた資料を読み解いていくと、その4つの事件の意外な真相が明らかに……!! どうぞご堪能下さい。

単行本新刊案内

レモン月夜の宇宙船

ホテルニューオータニだったかのケーブルテレビ関連、あれSFマガジンで読みました。たしか山野浩一スペース・オペラ」が載った号だったんじゃないかな。尖がった高校生ぶってニューウェイブSFじゃなきゃなんていってたけど、前武やピーターで一世を風靡した「祭りだ!ワッショイ」なんぞのTV内幕ものも面白かったし、ファンになりました。ケーブルTVなんてけっこう尖端いってたんだよな。数年前の「納豆ダイエットやらせ事件」で日本テレワークがポシャってしまって、悲運の晩年だったのだろうか。

樋口有介「木野塚佐平の挑戦だ」岸田るり子「密室の鎮魂歌」

中途で投げ出す。国学院大哲学科中退という、わたしと同じ学歴の先輩の作品、貶すのはなんだがまあ「2時間ドラマ」の梗概でしかないよな。「密室の…」文章が下手だ、鮎川哲也も文章が硬く読み辛い作家だったが、受賞作にもそういう縛りをかける必要ないよな。ミステリの新人作家とはいえ読ませる小説をめざしてほしいですね。