3 2011 新刊案内 東京創元社

MYSTERY通信(海外)
ヴィクトリア朝のロンドンに、魅力的な探偵がまたひとりデビュー。キング『ロンドン幽霊列車の謎』の主人公ネッドは、辻馬車の御者。仲間の助けも借りながら、捜査のために市内を駆けます。ロンドンといえば、ロンドン塔で死体が見つかる発端が印象的なカー『帽子収集狂事件』が新訳で登場。フェル博士ものの本書を皮切りにカーの新訳は順次刊行されます。そのほか、主婦探偵ジェーン第11弾となるチャーチル『眺めのいいヘマ』、愛鳥家シリーズ第2弾のゴフ『違いのわかる渡り鳥』のコージー2冊もどうぞ。
MYSTERY通信(国内)
ミステリーズ!新人賞受賞作を含む、期待の新鋭の第1作品集『インディアン・サマー騒動記』。リアルすぎる「死後の世界」の秘密を、死んだはずの彼と探る『オレンジの陽の向こうに』。日本推理作家協会賞受賞シリーズ最新作『獅子真鍮の虫』。親王誕生に沸く宮中に差す影の謎に、紫式部の推理が?えわたる王朝推理絵巻第2弾『白の祝宴』。好評、落語誌の編集者と先代・当代編集長の活躍するシリーズ第3弾『やさしい死神』。単行本・文庫ともに、今月も盛りだくさんの内容をお届けします。ご堪能ください。
FANTASY通信
3月のファンタジー新刊は、〈フェアリーコート・シリーズ〉第3弾『永遠の女王』。妖精の女王となったアッシュリンと人間の恋人セス、妖精王キーナンの、互いを愛するがゆえの苦悩、4つの妖精のコート同士の微妙な関係、そしてセスの決断。新たに妖精界を統べるハイ・コートの女王ソルチャも登場し、ますます目が離せないロマンティック・ファンタジーの決定版です。ブックランドは魔使いの弟子トムが、母の故郷ギリシアで魔物と戦う『魔使いの犠牲』。犠牲とはなにを指すのか……。是非お読みください。
上演決定 舞台 銀河英雄伝説外伝 ミッターマイヤー・ロイエンタール
創元ではマッドハッターの新訳。宇野利泰訳から半世紀ですので、まあこちらは新訳もいいけれど、でもいまさらカーの長編を読みたいかといわれるとものすごく辛い。乱歩の戦前のエッセイでも帽子蒐集狂事件は絶賛されていて、戦前版はだれが訳したのかな…なんてのが分かるのがインターネットのいいところだね─と思ったけれど発見できず。戦後初の翻訳は高木彬光だそうで、ま、それはそれで検索した甲斐があったか。

http://homepage1.nifty.com/kokubyaku/MadHatter.htm
http://homepage1.nifty.com/ta/sfc/carr_jd.htm