2 2012 新刊案内 東京創元社

MYSTERY通信(海外)
2011年、多くの読書家に絶賛されたフォン・シーラッハの短編集『犯罪』。その『犯罪』と対になる第二短編集『罪悪』が刊行されます。今回収録される15編も、現実の事件に材を取り、市井の人々を主人公としながらも異様な読後感を残す作品ばかりです。ベンジャミン『知りすぎた犬』は私立探偵アレグザンダーと相棒の犬ダシールが秋田犬がらみの事件に挑むシリーズ第2弾。そして、今月のクラシック新訳はジャプリゾ『シンデレラの罠』。一人四役という空前のトリックで有名なフランス・ミステリの傑作です。
MYSTERY通信(国内)
2月は『TOKYO BLACKOUT』の福田和代最新作『スクウェア〈1〉』『スクウェア〈2〉』が2冊同時刊行。バーを舞台とした著者の新境地をお見逃しなく。『パタリロ!』の魔夜峰央による前代未聞のミステリ・コミック最終巻『May探偵プリコロの不信』、創元推理文庫からは、眉目秀麗の探偵と義手探偵の活躍を描くシリーズ第2長編『豪華客船エリス号の大冒険』、新展開でますます好調のホスト探偵団シリーズ第4弾『インディゴの夜 Dカラーバケーション』など今月も話題作が目白押し。どうぞお楽しみください。
FANTASY通信
2月の新刊は、〈ヴァルデマール年代記〉。数ある3部作中でも、伝説の魔法使者ヴァニエルの波乱の生涯を描いて人気の高い【最後の魔法使者】完結編『魔法の代償』です。若くして恋人を喪い、以後祖国のために自らをすり減らして働いてきたヴァニエルにも、ようやく幸せが。でも、そんな日々も束の間、ヴァルデマールに魔の手が忍び寄ろうとしていた。ファンタジーではありませんが、アルバニアの鬼才カダレの『夢宮殿』も要注目。「夢」を集め、選別し、解釈する……。カフカ的迷宮世界を是非ご堪能下さい。
ジャブリゾ「シンデレラの罠」新訳だそうです。私が中学生の頃に創元推理文庫で刊行された。包帯女の画像がカバー裏面でちょっと怖かったです。一人四役なんて梗概に書いてあるんだが、まあそれほどのものでもなく、アルレーばりのフレンチミステリバリエーションでした、まあいまさら若い読者に受け入れられるものかどうか疑問はあるけど、まあいいか。

東京創元社新刊案内3月は《こちら》にあります
東京創元社新刊案内1月は《こちら》にあります