フェアなど

光文社文庫のチラシが以前の大きさになって帰ってきた。さあ、いったいこの2ヶ月はなんだったのかは担当の数名のみが知る「文庫闇の中」シリーズとして永遠の謎になるのでしょうね。恒例のアニバーサリーフェアが始まったのだけれど、こちら関係いままで食指を動かされたことはない。何かが決定的にわたしに向けて反射しづらい。
ハヤカワの「強い物語。」フェア2年目。「上を向いて読もう」という惹句はでもちょっと首を傾げる、上を向いて読むって仰向けの姿勢で寝て読む以外の方策を知らないし、寝て読むのならうつ伏せで「下を向いて読む」ほうがじっくり楽しいものですし。フェア2年目でまだうぶさが大いにあって昨年と今年の100冊が相当変わってます。
ミステリってジャンルは時代と密接なもので、「Yの悲劇」や「砂の器」など病気物など、特効薬ができちゃえば悲劇でもなんでもなくてそちらのほうがよほど悲しかったりする。ロス・マクドナルド精神疾患のお薬が揃った時代だとも一つホラーにならないし。携帯電話のせいでアリバイ崩しは無意味になったし…で、いいミステリってのがもひとつ定着しなかったりするんだよね。
とはいえ小冊子、昨年今年紙質も上等、レイアウトも色調も美しく強靭で読みやすく、そのあたりに書肆の気合いいを大いに感じます。