文庫チラシを集めるという趣味について

【文庫本に挟まる新刊案内チラシ=リーフレット】とは
 広告媒体、文庫発行の各出版社の多くが毎月出版される文庫の新刊を紹介する目的で新刊の文庫に挟み込まれています。
大手出版社では毎月20冊以上の文庫が上梓され、文庫という性質上各冊1万部以上発行されており、つまり大手なら毎月20万枚以上のチラシ=リーフレットの編集・印刷・挟み込み作業が行なわれています。
 文庫本には新刊案内以外にも、いくつか挟み込まれているものがあります。出版各社オリジナルのしおり、ノベリティの案内(Yonda?、発見グッズ、読むだっち等)、各種フェア、注目作家、単行本新刊案内などの投げ込みチラシが、新刊の文庫では多々あります。またときに個人チラシ(立花隆、大澤・宮部・京極の大極宮桜井亜美)、純粋な広告などが入っていることもあります。
 新刊案内も含め、パブリシティとして「投げ込みチラシ」と分類されていますが、特にそれのみを蒐集するさいの名称として【文庫本に挟まる新刊案内チラシ=リーフレット】または文庫チラシと当ブログでは規定しています。


【文庫本に挟まる新刊案内チラシ=リーフレット】ははどこにあるか

 書店で文庫コーナーに行き、棚に並ぶ各社文庫を開いてみても、そこに並ぶ本には新刊案内チラシは入っていません。出版社・書店によって扱いは若干違いますが、新刊として入荷した文庫にのみ案内チラシは挟まっています。平棚や新刊コーナーに置かれ、大概の出版社は「今月の新刊」の帯を巻いてあります。
 ただしその月の新刊であっても増刷された場合にはチラシは入れられません。万単位で発行流通する各社の文庫であっても、売れ筋、出版社のイチ押し!などですと瞬く間に増刷され、チラシが入らないまま書店の棚に直行します。
 書店に並んでから1ヶ月が過ぎ、新たなラインアップと交代すれば著者別に並ぶ棚に引越し、その際に多分挟まれていた案内チラシは抜かれるのでしょう─蒐集者であるわたしは実はその辺の機微をよく知りません。書店でアルバイトしていた知人は「そんな作業はしたことない」といってました。とはいえすべて取次ぎの仕事とは思えないんだが。
棚に並ぶ文庫にも、時々発行時の月のチラシが入ったままのことはあります。新刊→在庫棚へスムーズに移動した書籍なのでしょう。
 文庫と単行本とで、新刊の扱いはほぼ同じで初版初刷に案内チラシは挟み込まれ、増刷分には基本的に各社の新刊案内は入りません。単行本の場合は、売れ筋を除けば発行部数が小さく、在庫棚に直接移行する場合も多く、発行月の案内チラシを抱いたまま眠っている文芸書など多くみられます。
 ブックオフ古書店などで、チラシが挟まったまま売られている書籍をみつけることもできます。ブックオフなどでは帯は捨てられますがよほど分厚い広告物であっても挟まっている印刷物を取り除くことなく販売棚に並びます。古書店の場合はケースバイケースで、掘り出し物が眠る店も、ほとんど取り除かれている店もあります。岩波文庫・新書が網羅されていた店ですべて並ぶ文庫にしおりと出版案内が挿入されていて驚かされたこともあります。
 かつて管理人は「ヤフーオークション」で光文社文庫に挟まっていた「文庫のぶんこ」が出品されていた現場を見たことがありますが、それ以外の場で新刊案内のチラシが流通している実態を知りません。

2010年3月現在、蒐集している文庫チラシの由来などを記しています。