週刊TVガイド創刊50周年記念企画  淀川長治映画の世界名作DVDコレクション 創刊特別価格490円


東京ニュース通信社 tokyo news WebStoreのURLは以下に。全40巻のラインナップ(80作)も載っています。

http://tnsws.jp/contents/special/yodogawa_nagaharu/|

ま、ワゴンセールでDVD1枚500円で売ってますから、こういう企画は普通に楽しくできるでしょうし、ラインナップ見渡してみると“手元に置いておくべきかな”と逡巡しちゃうような作品もいっぱいありますね。「ベン・ハー」や「クレオパトラ」みたいな大作、「つばさ」や「雀」などサイレントの名作、「カリガリ博士」や「アンダルシアの犬」みたいな実験作など、有名作品は少ないけれどちょっとくすぐる作品群だな、グリフィスの「國民の創生」「イントレランス」の2作は見てないんで欲しいなあ。キートンやロイドも単純に持っていたいななど、とても気になるコレクションではあります…なんだけれど創刊号を手に取り気になる部分も大いにあるんだが。
淀川長治蓮實重彦山田宏一の鼎談「映画となると話はどこからでも始まる」は後半の各人勝手に選ぶもろもろベスト10も含め、知らない映画をいろいろ教わったり勉強になった読書体験、ただしわたしは「映画千夜一夜」のほうを読んでない、「映画となると…」で充分だと思っていたのとそのころ新潟に帰ってきて以降、ほとんど映画(レンタルビデオも含め)と縁のない生活になっちゃったからでもある。でもって「映画となると…」なんだけれど後半で淀川、蓮見、山田三氏の大嫌いな映画を腐すシーンがあり、まああれだけ映画見ている人たちが口をきわめて罵るというんだもの読んでいてとても素敵でした…んですがね、あのとき三氏が選んだワースト3に「第三の男」が入っていたんだよな、残りの二つはワイダの「地下水道」だったか「灰とダイヤモンド」。あとゲーリー・クーパーの「真昼の決闘」だったか、現在手元にない本なので記憶で書いてるんだが三人ともティオムキンの人となりみたいなのが気に入らないみたいでしたね。
「第三の男」の何が嫌いなのかもきちんと記していたんだろうが、もう忘れた。ネット中に見つからないし、それよりこんな絶賛評もある。

前略…
で、これは私は観てあまり立派なので驚きました、と同時に少し憎らしくなった。
本当に映画の教科書ですね。脚本もキャメラも監督自身も、見事なキャロル・リードの感覚が出てワンカットも無駄でない、見事な映画自身の教科書、そう思いました。
だからこれに私は惚れ込んだけれども、ちょっときらいでした。ゆとりがないぐらい奇麗だった、見事だったからですね。
…後略

「淀川名画選集−第三の男」全編は以下URLでお読みください。淀川長治総監修世界クラシック名画撰集より。

http://www.ivc-tokyo.co.jp/yodogawa/title/yodo18038.html

“すこし憎らしくなった”“ちょっときらいでした。ゆとりがないくらい…”とかに評者の皮肉が入っているのか、それともハスミンとか斯界の権威とお話しするときにはサービス精神で一緒になってけなしていたのかまでは分からないけど。
淀川長治のことば(というか伝聞)で「ヒッチコックが、いまに映画ってポケットに入るようになる…」というのがあって、いやあ本当にiPhoneに映画やビデオを入れて見ているわたしがいるんだものね、ちょっと世界は妖し印だが、誇る気分にはなかなかなれないかなあ。

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