購入したのは「学校では教えてくれない不道徳講座」「警察裏物語」

どちらもまああきれるほどに粗雑で空疎で無内容。テリーさんをわたしはとても評価していて、北朝鮮共産党も見逃していたけど、図書館で「お笑い大蔵省極秘情報」と出会い、いやあぶったまげたね、そこには本物のドラマがあった。その年の「わが読書ベストスリー」みたいな企画を読売新聞読書欄で行なっていて、そこで養老先生が「現代の奇書」と称賛していたので、ちょっと嬉しかったですね。「お笑い大蔵省…」はすぐに買いにいったのだけど何刷目だったのか五十嵐ふみひこの部分がマジックで消されたなんというんでしょうか戦後の墨消し教科書みたいなアレでしたね、ワハハ。
自分のおつむのいいことをあからさまにひけらかし、インタビュアーテリー氏の問いに「いい質問だ」「愚問だ」と上から目線でエリーとして見せ、でもついでのインタビューでは「できちゃった婚」の妻や息子を悔やんでいたりとか、人間性まで赤裸々に表出させる技術に嬉し恥ずかしだったりで、とてもアクチュアルな読書体験でした。それに比べ「…不道徳講座」の薄いこと、なによりタイトルがみっともない。三島を意識はしてないみたいだけれど、だとしたら凄くヘンでしょ。不道徳教育講座とかレター教室とかは三島にすればライトでポップなお遊びかもしれないが、そういう部分に豊饒なかの作家のエッセンスや物語の原型が溶け込み醸されてもいたりするし、だからテリーさんのタイトルに難癖つけるのも下品なのは分かっていうけど、元歌の意味をわかってましたかっていいたくもなる…「学校で教えてくれない」ってのは所さんだっけ、それともそういう参考書があったっけ。
「警察裏物語」って、これ、本当に新潮文庫?三笠文庫とかも少しすわりのいい媒体が存在したんじゃないのかというくらいの感想でした。警察手帳と拳銃を袋に詰めて頭に結わえソープで遊ぶなんて、それこそ「知らなくてもいい知識」の筆頭でしょうか。