角川文庫1月刊 近藤史恵 ダークルーム

近藤史恵を以前、時代劇で読んでいる。「猿若町捕物帳 にわか大根」に関しては以前この《こちらのエントリ》で記していて「ミステリとしては及第だけれど時代劇としては“自然主義”が入っている=近代に毒されている」だそうです。だとするとこちらみたいな現代ちょっとホラーだと、とてもうまくいきそうなのだが残念、ミステリの設定がちょっと胡散臭くてそうするとドラマを信じられなくなっちゃう。
難しいな小説って、たとえば「SWEET BOYS」なんて、これ女はぜったい自殺しないよ。男なら自殺するかもしれないけどこういう状況で一番なりそうなのは男2女1で女をいじめ殺すかな。それなのに作者ったらトリックというか暴きに驚きをもっていきたいばかりに、ドラマのほうがフラットになりすぎている、他の短編もまあそう、読者に読み進ませるための小説技法がちょっと無駄に空回りしている印象、堀江敏幸の短編にたぶんヒントがあるんだが、それをこの作家が見つけられるか。