中公文庫09年9月刊 吉田篤弘 それからはスープのことばかり考えて暮らした

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)

クラフト・エヴィング商會の小説を読んだのはこれが最初で、たぶんもう読みません。やっぱり別役実ほどの悪意や羨望やねたみや不気味やその他ろくでもないものをいっぱい読ませてほしい…っていってはみても古川日出男池上永一の大作を腰をすえて読むだけの気力体力は、ちょっと辛いなあとも思うんだよなあ。
となるとこの小説をひと言で腐していいのだろうかとも思うよね。アルプスクライマーが、中高年になったら高尾山を極るとかに徐々に変化させていかないと(自分が立派なクライマーではないけど)いけないんだけれど。
とはいえ意地悪で陰惨で救いがなくてぐだぐだと考え込んで読むのが苦痛になるような短編ばかり読みたくもないしね。そのへん自分自身の規範をもすこし考えないとね。