文藝春秋の新刊 2007・10 「ベランダ猫」  ©大高郁子

ああ、これだ。とてもやさしいパステルカラーとロットリング線の影。なんかこうなごみますよね─って、このあたりがいつまでたっても子供のわたし。クレーやデュシャンが分からなかったり、音楽でいうとバルトークのよさをさっぱり理解できないとか。
アートの基準に“分かりやすさ”をいうことはべつにみっともないわけではないのだけれど、その“分かりやすさ”に自分勝手な色をこね回しメランコリーだのディーセントだの、そんな知ったかぶりをする自分がやっぱり恥ずかしいのだが…そこまでいいつつ…この斜に構えた青空(夜空か?)のぶっきらぼうなシニックに弱いんだな。デルボーとかパロとか、音楽でいうと武満徹とかネ。

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すてきなネコをイラストレーターはこの新刊案内リーフレットでもいくつも発表してます。まだ紹介してないいくつかと最新作品とをならべてみました。ちあきなおみ似のほくろねこではない今月の新刊ネコだが、さてさて、大高さんの人生のいかなる部分に邂逅した奴なのか、充分気にはなります。