二つ折りの投げ込み単発チラシは三崎亜記「失われた町」

上記「となり町戦争」映画化とタイアップかなあ。まだ三崎亜記という作家、読んだことがありません。マルケスとかリョサを思い浮かべる設定のようで、いやでももちろんエンタテインメント小説なんだし気楽に読めばいいんですが、どうももうひとつ不安でねえ。
吉村萬壱「バースト・ゾーン」の陰湿で救いのない近未来小説にぞっこんだったわたしですが、「となり町戦争」や「失われた町」がそれに匹敵できるほどの虚構性・メタファーを有しているか。何となくではあるんだけれど、どちらかというと作者はちょっとした細部のほころびから、ストーリーをつむぎだすタイプかしらって、これは本当に“知らずに書いちゃった”だけなんで、留保が当然つきます。気にはなってる作家なんですけどね。