ハヤカワ文庫JA 10年12月刊 伊藤計劃 ハーモニー
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大沢在昌の「心では重すぎる」との相似を感じた。ま、それも悪い意味でではない。ある種の誤解のさざ波が悲劇につながるというあたりの、読み終えたうえでの虚脱だったりする。あと、小説自身のこれは弱点だが、人類の意識が消えるというハッピーエンドってこれ、どうみても変だなあと思う。それでもいいんだができればアンハッピーとかシニカルなエピローグにすべきでしょ。
同じく一人称で書かれていた「虐殺器官」より、一人称が決まっていてご都合主義的なストーリーの展開はあるけれど、読んでいての齟齬は全くない。そういう意味で惜しい作家でした。一連の未来史を読みたかったがなにしろ人類からこの先意識というものがなくなっちゃうとなると小説も存在しなくなってしまうのかな。
御冷ミァハという存在を「意識なく暮らしてきたチェチェンの少数民族だった」が「ロシア軍人に凌辱され意識を得た」と、規定していたけれどだったらもっと変態的に彼女は屈折したんじゃないかな。わかんないけど。