文藝春秋の新刊 1999・10 「椅子」 ©大高郁子


椅子ですね、人間椅子ではない、ダイニングルームでご飯を食べるための椅子。
ニスが塗ってあるのか赤い脚や背もたれの初々しさがすこし気恥ずかしい。
でも、これって、床のぶっきらぼうさから類推するのにどこかの舞台なのかな。芝居の小道具としての椅子と、背もたれのワイシャツ。
だからこの画面、靴音高く右手左手から小難しい顔の俳優がアクション大袈裟に現れそう、そんな小豆色には気配があります。

 新潮文庫 2008年4月チラシの紹介

新潮文庫 今月の新刊 2008・4

Yonda?DVD「パンダが本を読んだ日」より“パンダの後頭部”

新潮文庫*今月の新刊 “男の品格フェア”実施中
塩野七生
ルネサンスとは何であったのか

城山三郎
無所属の時間で生きる

本当に生きた日

宮城谷昌光
古城の風景 1 菅沼の城 奥平の城 松平の城

高杉良
破滅への疾走

幸田真音
タックス・シェルター

遠山美都男 関幸彦 山本博文
人事の日本史

斎藤由香
窓際OL 親と上司は選べない


新潮文庫*今月の新刊
帚木蓬生
千日紅の恋人

河内一郎
漱石、ジャムを舐める

四方田犬彦
ハイスクール1968

いとうせいこう
職人ワザ!

山口昌子
シャネルの真実

NHKがん特別取材班
日本のガン医療を問う

東大作
犯罪被害者の声が聞こえますか

クライブ・カッスーラ&ダーク・カッスーラ 中山善之=訳
ハーンの秘宝を奪取せよ

リチャード・ブローティガン 藤本和子=訳
芝生の復讐


人生で二度読む本 復刊 新潮文庫名作復刊シリーズ
海音寺潮五郎
幕末動乱の男たち 上・下

中山義秀
新剣豪伝


4月のヨンダ?
注目の新刊 ルネサンスとは何であったのか。
今月のフェア 没後一年 城山三郎の言葉を、噛みしめる。
映画化話題作
新潮新書 3月の新刊


新潮文庫チラシ08年5月はこちらで紹介しています

 ポプラ文庫創刊 2008年4月ラインナップ



googleで“ポプラ文庫”を検索したらNGO団体みたいなところにいってしまった。ポプラ社・ポプラ文庫でようやく発見─でも、それほど楽しいホームページじゃないか。
とはいえ“ギャラリー”というコーナーでは創刊記念のシオリが紹介されていて、この先の展開などは楽しみですが、隔月の刊行らしく、また粒よりというのか点数もそれほど多くはなさそう。どれを購入しようかネガティブな選択をしたなんて、あまりいいたくもないんだけどさ。

http://www.poplar.co.jp/

「ポプラ文庫プレゼント」への応募ハガキが入っていて、手ぬぐいなどが当たるそうです。先着順とは書いてないし1200人か、当選したらこちらに載せますよ。


きっとみつかる。 ポプラ文庫 4月5日創刊。

Line up ポプラ文庫 4月創刊 ラインナップ
あさのあつこ
ガールズ・ブルー

ガールズ・ブルー 2

江國香織
夕闇の川のざくろ

小手鞠るい
空と海のであう場所

松井今朝子
今朝子の晩ごはん

ジャネット・リー・ケアリー 浅尾敦則=訳
あの空をおぼえてる


これから、続々。6月の刊行予定

ポプラ文庫創刊記念読者プレゼント
抽選で長崎訓子さんのイラスト入りオリジナルグッズを総計1200名様にプレゼント!


ポプラ文庫新刊案内チラシ08年6月は《こちら》にあります

 新潮文庫 平成20年2月刊 北森鴻 写楽・考

写楽・考―蓮丈那智フィールドファイル〈3〉 (新潮文庫)

写楽・考―蓮丈那智フィールドファイル〈3〉 (新潮文庫)

蓮杖那智シリーズはじめて読みました。「憑代忌」読み終えても探偵役の蓮杖那智が女性だと気づかなかったってのは、どういうことだ。
大層美人だがわがまま傲慢な気鋭の人類学者っていう設定やプロフィールはきちんと以前の連作にあったのだろうが、それにしてもいろんな予備知識なしではどうにもそこまで読みきれないなあ。
表題作の「写楽・考」。フェルメールについてはわたしもあまり知らないので、Wikiで知識を得ましょう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E4%BD%9C%E5%93%81

疑問作も含めた現存するフェルメールの作品はそちらにある37点だけだそうですが、そんなすごいものなのかな。ま、フェルメールを江戸時代の四国に持ってきたという着想はとてもいいと思うが、だとするとタイトルは何なのさ。
そもそも人類学にせよ民俗学でもおなじで、気鋭の学者が颯爽と理論を開陳し世間の常識を代えてゆくなんていうような学問とは思えないのだがって、それはわたしの偏見か。吉本隆明の「共同幻想論」や山口昌男の「トリックスター」があまた人類学者たちにセンセーションを与えたなんてことはなかっただろう。
もちろんわたしたちはアカデミックな考古学者たちのおぞましいほどの低能さを高森遺跡事件で知ってしまったので、まあ、こんな小説ででも、主人公たちの居場所としての大学という場を尊重はするが、でもミステリの合間に繰り広げられる人類学・民俗学のフィールドワーク、そこから啓かれた新理論なんて、いずれにしても読者には邪魔かもねというくらいの認識でした。
連作小説集として、ここには読者を想定した大事な何かが決定的に不足している。