文藝春秋の新刊 1999・10 「椅子」 ©大高郁子


椅子ですね、人間椅子ではない、ダイニングルームでご飯を食べるための椅子。
ニスが塗ってあるのか赤い脚や背もたれの初々しさがすこし気恥ずかしい。
でも、これって、床のぶっきらぼうさから類推するのにどこかの舞台なのかな。芝居の小道具としての椅子と、背もたれのワイシャツ。
だからこの画面、靴音高く右手左手から小難しい顔の俳優がアクション大袈裟に現れそう、そんな小豆色には気配があります。