「本の雑誌」が選んだ…といわれてもなあ

おすすめ文庫王国2007年度版

おすすめ文庫王国2007年度版

1ヶ月くらい前に「本の雑誌増刊 おすすめ文庫王国 2007」を購入

したんだけれど巻頭の「ベストテン」。レコード大賞紅白歌合戦ほどの権威もデータもない選考方式みたい。ということは上橋菜穂子さんの1位をことほぐ新潮文庫のチラシも誉め殺しみたいな気持ちになるなあ。

(前略)…
顧問 そんなところで2007年のベストテンを決めていこうか。どうする?
営A 顧問の推薦は?
顧問 オレはオブザーバーだからいいよ。
営A そんなこといって、また誘導するんでしょ。
顧問 おまえは疑ぐり深いんだよ。
発人 じゃあベスト1から決めていこうか。
顧問 ベスト1は誰がみても、上橋菜穂子精霊の守り人」で決まりだよね。
営A ほら、もう誘導してる。
顧問 違うよ。浜本と松村の推薦だよ。オレはただ、2票入っているよと注意を喚起しただけ。
営B 「穴」も2票はいってますね。浜本さんと村松の2票。
顧問 おお、あれもなかなかよかったな。今頃文庫になったのかい?
営A それ、小説?
顧問 ヤングアダルト小説だね。
編A 不運無双の主人公がみせる痛快大逆転が最高です。
営A 何だかよく分からないなあ。
発人 「穴」は10位だな。
編B えっ、10位から決めるんですか。
顧問 1位はもう決まっているから。
編B いつ決まったんですか。
発人 だから「精霊の守り人」だよ。
編Bあっ、そうなんですか。
営B 上半期のベスト1が上橋菜穂子さんの「獣の奏者」でしたね。文庫のベスト1も同じ著者でいいんですか。
顧問 2007年は上橋菜穂子の年であったということでいいんじゃないか。
…(後略)

という具合の選考会でした。顧問とはあの釜焚き目黒氏、発人は浜本茂ですって、浜本茂って知らないなあ。怪しい探検隊のドレイとかででてきた人でしょうか。「本の雑誌」のURLは以下に。

http://www.webdokusho.com/

1位・10位以外をここに並べるのも面倒なので、興味のある方は「本の雑誌」WEBでみつけてください。年に100冊以上新刊文庫を購入するわたしですが、ベストテンとかぶったのは乾くるみイニシエーション・ラブ」一冊のみ。それに関してはわたし、こちらでダウト出したしなあ。
ただしこのベストテン、チラシ蒐集関連での7社以外が5冊もあって…つまり7社から5冊しか選ばれてなく(新潮2冊、文春2冊、角川1冊)それもちょっと困るものが。というわけで「精霊の守り人」購入しなかったわたしなのだが、新潮文庫も最近、購入するものに外れが続きすこし苦しい。
とはいえこの雑誌、文庫版元番付編成会議、売れ筋ランキングなど、楽しく読みました。ジュンク堂丸善の文庫売り上げベストが乗ってるんだが、どちらの書店もベスト10に07年刊行作品が入ってないんだ。ジュンク堂11位が「幻夜丸善11位が「憑神」で、ようやく昨年刊行。丸善の1位はどういうことだか酒井順子の「煩悩カフェ」で、店員さんがPOPつけたらこうなったんだそうで、いやあ、文庫ってそういう売り方買い方なものなんでしょうかねと、あらためて驚く。

(前略)…
 一つ悔しかったのはこれ。26位『生きる力がつく「孤独力」』。
 何でですか。
これね、最近なんか売りたいと思って、ちびちび目立つところに置いてたんですよ。そしたら丸善さんでこんな上位にいる。そうか、すでにこんな売れている本だったんだって。
 これは営業さんの力ですよ。お店に合いますよって提案されて、それで置いてみたら売れちゃった。
 そうなんですか。実は僕もいま営業さんに言われて仕掛けている「モルヒネ」がそんな感じです。あれ?もしかして「モルヒネ」の帯にあるMさんって、Mさんですか。あっ、そうなんや。これ激売れしてます。ありがとうございます。
 売れましたねえ。読んで面白かったし、これは売れるんじゃないかって、POP立てたんです。「うずくまって泣きました」って。そうしたらバーンと売れちゃった。
…(後略)

書店員のお仕事、なんだか楽しそうですね。でもさ、書店って売りたくもないものの方が愕然とするほど多く置いてあるものなんですよね。参考書なんぞにもPOPたててんのかな。

ってわけで、わたしの文庫関連ニュースベスト10(って、10もあるかな?)

  1. 集英社文庫NEWS(フリーペーパー)の興亡。
  2. 創元SF文庫リニューアル 80年代SF再評価
  3. 知人や親族の幾人かが東野圭吾の「手紙」をもっていて、たいそう驚く。
  4. 光文社文庫の表紙カバー変更。─集英社も変更したけどあちらはインパクトなかった
  5. 講談社文庫のチラシが大幅に減る。─年末、時代劇フェアのチラシがあったが買いそびれる
  6. ウェッジ文庫 ゴマ文庫創刊。─ゴマ文庫は創刊3ヶ月目でチラシ消滅。ウェッジ文庫は続刊をみない
  7. 新潟にジュンク堂進出、紀伊国屋はリニューアル。
  8. 中公文庫チラシ、再登場も短命で終了。
  9. 岩波文庫創刊80周年、記念に復刻版出る。
  10. 新潮文庫の小冊子「山本周五郎の本」、講談社文庫のリーフレット東野圭吾全文庫目録」、光文社文庫の小冊子「時代を斬る 佐伯泰英長編時代小説」などのPR誌がすてき。

と、無理やりのベスト10でした。読んだ書物のベスト10もいきたいけれど、ちょっと度忘れぎみでエントリさえおぼつかないぞ。