集英社文庫NEWS vol.6 2007年8月21日

一面は“集英社新刊案内”とおなじ。先月もそうだったけど、でも先月はフェアというのか“ナツイチ”最中だったわけだし。今月の島田洋七「…がばいばあちゃん(辞書登録した)」も、まあ20万部突破のめでたいコピーにけちをつけてもいけないかな。徳間から集英社に移ったりして、なにやら仁義なき戦いがあったのではと勘ぐったのだが、ウィキで確認すると最初は自費出版だったそうで、まあそういう出自であるのなら徳間も文句はいえないかな。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B3%B6%E7%94%B0%E6%B4%8B%E4%B8%83

がばい…シリーズを全然読んでないわたしがものすごーく無関係な話をするわけだが、むかし武田鉄矢トーク番組でだったか桃井かおり主演のドラマでのエピソードだったかで「学校は潰れないんだから、教材費なんぞ持ってゆくことない!」などと…いや、それでも紆余曲折があって支払ったのかまではわたしも覚えてないけど、そういう過去のエピソードが事実で、お金に関するトラウマがあるのだったとしたら現代のアモラルな状況を武田鉄矢は叱れない─叱らなくてもいいんだけどね。
まあ未成年で喫煙していたことを告白した歌なのに放送禁止にもならず、変な時代だったし、貧乏の種類がいまとは違っていたということもあるけど。
がばいばあちゃんのほうも、貧乏自慢みたいな書籍と紹介されているわけで、そのエピソード中に、世間に対して失礼だの無礼だの不潔だのその他、現在の著者の立ち居地を陥れる可能性を秘めたものがあったら辛いな…って、まあお笑いの人ならいいのかな。現在の自分を含み、祖母やら肉親やらを肯定的に批判する位置を見出したのなら、それはそれですてきなことでもあるけどね。
孫正義が毎日経済賞でのスピーチで幼少時代を顧みて絶句したそうだ。

http://www.hh.iij4u.or.jp/~iwakami/softbank.html

だれも肉親、時代状況、生活状態など自分で選んで生まれてくることはできないし、貧乏だのコンプレックスだのそんなマイナスな部分を興味本位でつつかれれば、まじめな人ほど理不尽な怒りに包まれるだろう。
まあ、だから心理学療法的な解決策として「手の内を先にさらけ出す…」みたいな貧乏自慢(自慢じゃないか、貧乏だった過去の肯定)的な言動著作に意味のあることは理解できるけど、まあ読みたいとは思わない。…って、読みたくない理由をこんなに熱心に語ることもなかったか。

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