5月の新刊 光文社文庫

松本侑子「恋の蛍 山崎富栄と太宰治」。太宰ファンなら手に取るか、まあわたしもそこそこあこがれますが情死ってやつは。「毒婦」と呼ばれる木嶋佳苗なんだけど、情死を願って(計画的に)死にぞこなったのなら死刑判決はないのか、でもそれじゃお金はいただけないのか心中前にいただくものは手に入れ情死を誘うとか、迂遠かもしれんが完全犯罪とするには、木村さんってすこしサイクルを早めすぎたかと思う。あららこれって、太宰とちっとも関係ないね。
どうもなかなか、欲しい文庫が見当たらないのはどういうわけだ、今月新シリーズ開始の上田秀人、チラシ裏面でも“読み出したら止まらない”とかっぱえびせん的に称揚されているんだけれど、じゃあ少しは「闕所奉行」じだいから小説術が進歩したのかな?