文藝春秋の新刊 2006・8「フランスのチーズ」©大高郁子

美味そうな背景色ですね。カマンベールの色ではないけど、でも練られて熟成されてまろやかに旨みの増した濃厚な乳製品の色そのものだな。
こんなカバーのカマンベール、近所のスーパーでも売っていそうな、いやいや現地でしか買えない逸品なのかな。
カマンベールやブルーどころかウォッシュタイプまでが、近所のスーパーに並ぶようになったのはほんの10数年前から。というわけで「バブル景気」っていうあのお祭りは確実に一般庶民の尻を押し上げ、夢へ一歩近づけてくれる力になった。もう、ボジョレーヌーボー飲まないけどさ。
利口になったはずのわたしが、巨大スーパー店頭を今朝も掃除し、限定発売のゲーム機を手に入れるべく正面入り口に並んでいる人びとにまた驚いている。熟成されざる者への罰のような、それは景色だ。