新ハヤカワ・SF・シリーズ スコット・ウェスターフェルド 小林美幸=訳 ゴリアテ ロリスと電磁兵器
ゴリアテ ―ロリスと電磁兵器― (新ハヤカワ・SF・シリーズ)
- 作者: スコットウエスターフェルド,Scott Westerfeld,小林美幸
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/12/07
- メディア: 単行本
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「リヴァイアサン」シリーズ完結。ネタばれでもいいのでしょう、アレック公子は皇籍離脱を宣言し、デリンはバーロゥ博士の導きで性がばれる前に除隊でき、二人ともども動物園で仕事をみつけるようだ。
「リヴァイアサン」に関してわたしがひとこと述べているページはこちらに。
http://d.hatena.ne.jp/kotiqsai/20120127#1327668049
「ベヒモス」に関するひとこともあります。
http://d.hatena.ne.jp/kotiqsai/20121012#1350039339
完結編はでも、少し急ぎすぎというか主人公2人のロマンスと地球を半周さす冒険とでめまぐるしすぎたような気がする。ロシアで巨大戦闘熊に襲われかけてたテスラ博士を救出し、青島でカッパに襲われるオーストリア海軍艦を臨み大量の飛行獣の小便を機関室で浴びる、東京でラーメンを食べ、カリフォルニアのハースト・キャッスルでシネマスコープを観覧し、メキシコで戦うパンチョ・ビラの侍医にデリンはおっぱいを見られちゃう。到着地のニュー・ヨーク、ロング・アイランドの最終兵器「ゴリアテ」に迫ったクランカーの水中ウォーカーとの対決までが500ページ弱に詰まっている。ロシア→ニッポン編とアメリカ編とに分けてもよかったかと思う。
日本海軍が開発した戦闘獣カッパはでもそうとう獰猛でソマリア海賊のように軍艦によじ登り、水兵たちをなぶり殺しにするそうでダーウィニストというより、楳図かずおの「半漁人」みたいだったな。
ジュブナイルなので描かれなくてもいいですが「ブレードランナー」の女レプリカントは慰安用と説明されてたわけで、そういう役割の機械獣がいてもおかしくないよね。だからデリンがおなべでもばれなかったとかさ。
沼正三「家畜人ヤプー」をわたしたちは知っていて、ニッポンが開発した殺人機械獣カッパも含めダーウィニストたちの想像力不足を3部通読しけっこう歯がゆかったな。
前巻から登場したロリス、あまり意味が分からなかった。も少し機能というか活躍するシーンがほしかったね、もちろんバーロゥ博士はいろいろ情報などロリスから手に入れていたのかもしれないが。ああ、そういえばナウシカの肩に乗ってたテトというキツネリスはなにかの役にたっていたのだったか?
小説「リヴァイアサン」のTVCFが載ってる2ちゃんまとめがありますので、URLを貼っておきます。ぶく速昨年7月のエントリで第3部「ゴリアテ」刊行前なんで最終評価ではないんだろうけど。
http://2chbooknews.blog114.fc2.com/blog-entry-4214.html
何だかあまり褒めてないですが、いやでもきちんと一気読みしました。とても楽しい読書でした。