新潮文庫2月刊 新潮社ミステリーセラー編集部編 Mystery Seller とっておきの謎、売ります。

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小説新潮Mystery Seller」(知らないけど)に載った短編を集めたアンソロジー、いや違うかどうにも営業臭プンプンじゃないか─分かってるなら買うなよといわれそうだがでもそれにしても「四分間では短すぎる」はひどすぎる、ネタ切れで楽屋落ちで逃げ切ったんだろうが雑誌掲載は許してもこういう晴れの舞台に載せてはいけない。ミステリーの年代アンソロジーってのは光文社・講談社各文庫で出しているでしょ、それに拮抗出来るとの自信がないのなら、古今東西からの驚きに満ちた詞華集がほしかったな。作品作者名は以下の通り。

進々堂世界一周戻り橋と悲願花」  島田荘司
「四分間では短すぎる」     有栖川有栖
「夏に消えた少女」       我孫子武丸
「柘榴」            米澤穂信
「恐い映像」           竹本健治
「確かなつながり」       北川歩実
「杜の囚人」           長江俊和
「失くした御守」         麻耶雄嵩

ジャンルとしての本格推理っていうのはありませんね…というあたりでなにか現代日本ミステリ文壇の豊穣と不毛の同居がうれしいです…ってなにか変だけどね。島田荘司進々堂世界一周戻り橋と悲願花」がまあ読み応えいちばんだけど、因果があまりにありえそうになくて、なんだか昨今の嫌韓ではないが、妄想乙とスレ立てそうなわたしは恥ずかしい男なのかしらね、日韓って難しいねで終わるわけではないのだが、まあこういうふうに第3の場所からみないとしがらみだらけになっちゃいそうね。
北川歩実「確かなつながり」マイノリティを扱うというのに、こういう汚い手を使ってはいけないような気がする。米澤穂信「柘榴」怖いね怖いけどリアリティないんじゃないの?女性の心理なんてわたしの問題外なんだけど、ちょっとダウトといってみたくなったっけ。