角川ソフィア文庫「学ぶ心」の応援団 3月の新刊

3月の新刊でフロイト「新版精神分析入門」訳は安田徳太郎&一郎父子で、わたし大学の頃読んだのも徳太郎&一郎版だし、えっとそれって新版の意味が分からんなあ。フックス「風俗の歴史」なんてものも角川から出ていて、いま思うとちっともエッチでないんだがまあなにしろエロ関連の情報などほとんどなかった時代、いらいらしながら皆読んでいたんじゃなかろうか。
2月の新刊で「春秋左氏伝」が、3月は「詩経・措辞」がと出ていたのだけど、書店で見かけなかったな。まあわたし「左伝」は岩波文庫版で、詩経海音寺潮五郎訳で読んでるんだがいずれももう手元にないし、ちょっと見てみたかったな。3月の新刊からは三枝昴之「昭和短歌の精神史」を購入しました。第一部の飛行機短歌の話、とてもよく分かるようででもスペースシャトルやISSのクルーが詠んだ短歌っていうのをいまのところ知らないので、新たな自由律が生まれるかどうかはわからない。でも夕暮れと善麿の臨場感に刺激された茂吉がすっげえ自由律短歌作っちゃうあたり、嬉しくなりました。

電信隊浄水池女子大学刑務所射撃場塹壕赤羽の鉄橋隅田川品川湾
 斉藤茂吉『たかはら』・「虚空小吟」

そのあと戦地編などじっくり読んでるところですので、もちょっとしたら感想文書きますね。戦中の下での日常に短歌を重ねるルポの部分などなかなかいまとなっては茫洋としてしまった部分が見えてきそうでちょっと楽しげだ。

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