角川ソフィア文庫09年11月刊 高浜虚子 俳句とはどんなものか

俳句とはどんなものか (角川ソフィア文庫)

俳句とはどんなものか (角川ソフィア文庫)

少年時代、清さんのご近所のおばさんが作った俳句。

朝顔の蕾は坊のチンチ哉

は、まあひどく下品ではあっても写生としてはあくまで正しいような。

季重なりはいけないと一概に排斥する月並師匠輩の言葉は取るに足りません。季重なりはむしろ大概な場合さしつかえないのであります。
切字と申したところで何も特別な語法があると申すのではありません。

などとまあ記してあって、もちろん入門書でブリブリ初心者を威嚇してみてもいけないのでしょうから“習作の段階では”という但し書きがあるんだろうけど。はっと言わせるような俳句は作れないし、はっとさせるような人生も歩めないし。でもまあ、明治から戦前の青年だと俳句でも和歌でも武器として査証として高く掲げられたのだろうから、子規以来の功績は多であると率直に思う。彼らが都々逸や新内や、まあ何やらを文芸復興の旗印に掲げようがいろいろ文学関連変わったりしただろうしね。