文藝春秋の新刊 2002・5 「漱石の復刻本」 ©大高郁子

「草合」を知りませんでした。まあ、漱石のよき読者じゃないわたしなので、中級レベルの設問でもう引っかかります。草枕とか虞美人草とかは浮かんだけれど、こんなタイトルの漱石ねえ…と首をひねりました。
以下のURLからジャンプしますと、草合に行けますが、まあ、それだけのことかな。

http://www.ndl.go.jp/portrait/datas/307.html

復刻本を購入したことは、たぶんない(はずだ…記していくうち思い出す可能性も)。ノーベル書房だったか旧国定教科書なんぞの復刻を一時、よく宣伝してましたっけ。
中年を過ぎ、なんとなく旧仮名旧漢字旧活字に魅かれる。ただし、文学作品を旧仮名で読めばもっと嬉しいというような読者ではなく、戦前の新聞や時事的な文章などのレトロさににんまりするというような趣味なので、古書店で大正・昭和初期の腐りかけみたいな冊子(安価なのに限る)を見つけて、ごろり横になって眺めるくらいだ。
─ああ、そうだ。父がいくつかのマンガ(のらくろその他)の復刻本を買ってきていた。現在23歳の姪が幼女時代「蛸の八ちゃん」をたいそう好きで、ついに書籍を離さず、持って帰ったとかのエピソードがある。戦前の広告(マンガ単行本の宣伝)もあったりして、わたしもそこそこ楽しんだ。
ジャズなどでのコンプリート盤はいくつか購入したけど散逸したな。書籍の復刻版とは趣が違い、ただシャワシャワ音だけが強調された苛立ちの種みたいな音源だったりでがっかりなんてことばかりだった。
マイクロフォンとかの技術的な問題のせいだったんだろう─それを楽しめなくちゃいけなかったのだけど、そういう意味では失格ですかね。落語のテープ・レコードなども、いくら脂の乗った名人とはいえ、甲高い声と雑音とで話芸に集中できず「どこがいいのか」と憮然とすることのほうが断然多い。