文藝春秋の新刊 2002・8 「馬と暮らす」 ©大高郁子

というわけでイラストレーターはモンゴルを旅し、粘土細工の馬の人形を翌月に紹介できちゃったわけでしょう。大高郁子ホームページ(フッターよりいけます)中、かつてはいくつかの旅行記が置かれていたのですが、現在読むことの出来るそれはたった1編だけのよう。“日々のmemo”欄など読ませていただくとイラストレーターとして先生としてたいそう多忙な管理人さんみたいですので、新たな旅行記など載る日が来るのかどうかたいそう心配しておる日々です。

ゲルには木製の扉がついてる

本来そういうつくりなのだろう。司馬遼太郎旅行記でしかゲルを知らないけれど空路(ホテルのチャーター機のようだったが)ゴビの砂漠の真ん中で宿泊した司馬ご夫妻や須田画伯そのたご一行も“快適なゲル生活を満喫”みたいに記されていたのでは…って現物の「街道をゆく」が手許にないのでなんともいえないけど。
砂漠のずっと向うに明かりが見え、司馬さん須田さんコンビが夜のステップをあるきだしたはいいがだいぶ進んでもその灯り近づけず不安げな2人がきひずを返すなんて個所が印象に残っている。
村上春樹旅行記でもモンゴル草原って…あれはノモンハンか。「ねじまき鳥…」の取材旅行なのだったね。モンゴルにつく前に虎の子を抱きかかえたり目医者にいったり、モンゴルでは朝青龍によく似た軍人(写真があったよね)と狼狩りしたり不味い羊料理に閉口したり、ついには深夜のホテルで異常体験と、そうかモンゴル高原の美しい青と緑に関しての著述はなかったかもしれませんね。ノモンハン高原のあちこちには今でも70年昔の戦車や大砲が朽ちた姿で放りっぱなしだってあたりに、憮然とした感動を覚えたものです。