文藝春秋の新刊 2004・4 小さな瓶の船 ©大高郁子

精緻とか手先の器用さとか根気とか、そんなため息のもれる扱われ方のボトルシップでしょうが、イラスト中の帆船はどちらかというと単純質実で衒いもなくビンの中にて風を受け行先を持ち水を蹴っているみたいだ。
ボトルシップではなく空き瓶内を映像空間にして海原を行く帆船を再現しているみたいな─なんというのかホロスコープ
精緻精巧さを感じさせぬ筆使いが嬉しいですって、これって誉め言葉?©梅津アナ。
マルティン・ベッグが帆船の模型を作っていたっけ。ゲッタウェイでは囚人のマックィーンが仮釈不許可となり作っていた模型を壊すとか。マルティン・ベッグも夫婦間のいざこざがあったりで、まあ精巧な模型を作るってことはもって行き場のないイリティションの溜めどころというのがわたしのイメージ。細かい手作業が苦手といいたいだけですけど。
だから、こんな爽快さしか見る人に感じさせないボトルシップは嬉しいですね。