文藝春秋の新刊 2007 2 「おもちゃの船」 ©大高郁子

ブリキの船のデッキに塗られた間抜けな甲板カラーがとてもかわいい。舷側には大きなゼンマイ回しが固定されてるけれど、これ、水上を走るのか?こんな遊具で遊んだ記憶から40年過ぎたわたしです。新たな発見を見出すとしても、郷愁とは軽く結びつかないのはどういうわけだ。
波を模した青と白の船底ペイントや全体の背景色など、キッチュというより、バカッぽいお遊びっぽさが凝縮し、大高郁子的精緻さがちょっと怖くなる。すてきな小品でしょう。