幻冬舎文庫 加藤由子文 大高郁子絵「きょうも猫日和」

きょうも猫日和―猫のいる歳時記 (幻冬舎文庫)

幻冬舎文庫、チラシないっすね。いいんっすけどね。
上記ホームページにて「文庫にて発売」を知り、職場内書店で購入。平積みされてました。ネコはなにしろ強いアイテムだ。
1ページごとの読みきりで、イラストレーター曰く「トイレ本に最適」とのことで、まあレビューやら書評など野暮ですね。でもいくつか新知識を得ましたので、このさいわがダイアリーにいらした方々にも披瀝しましょう。

  • 南極観測隊が置き去りにした、タロとジロのストーリーは有名(ヴァンゲリス音楽の映画にもなったし)だけれど、そのときの越冬隊には猫のタケシも同行し、彼は置き去りにされることなく隊員と一緒に帰ってきていた(ので、感動の実話にならない)─1月14日。
  • 19世紀、エジプトのベニ・ハッサンで30万体の猫のミイラが見つかったのだが、学術的に研究されぬまま宗主国イギリスに送られ肥料にされた─8月5日。
  • オス猫は成熟期に達するとほっぺたが張り出す。これは雄ライオンの鬣と同じで「おおきくてつよそうにみせるため」と「けんかの際のケガ防止」のため。
    でも去勢手術をすると性成熟以前の顔に戻るため、最近“でかい”顔したオス猫を見なくなった─4月5日。

まあ、その他、読みやすい体裁での雑学を披露しつつ、愛猫家への啓蒙(不妊手術と室内飼育を薦める)みたいな書物でしょうか。坂東眞砂子のプリミティフなペット飼育法を非難する人が大勢あった今年でしたが、今年死んだうちの父も、そういう嫌な役目を引き受け生まれた猫の子を処置していたそうだ。
いまさらその行為に関してはなんともいえないが、そのまま放置するよりはベターなようにも思うし、でもかといってひどい飼い主が多いのも事実なんでなんともいえないんだけれどね。
楽しい1冊でした。