まあ、その公営競馬紀行の紀行文中で

北海道の公営競馬場を朗らかに誇らしげに周遊するさまを楽しげな筆致で描いていた山口瞳だったが、バンエイ競馬場だったかで“北海道は食い物が美味い”なんてことをいい始め「ジャガイモ・とうもろこし・バナナ…、えっ、バナナ…」みたいな物言いがあったと記憶してるが、現物がないので、記憶違い(他の書物だったか)かもしれない。
北海道は空気が美味いので、何を食べても美味しく感じるんだ…なんて提灯持ち文章みたいなオチだったけど、でも読者も何か得した気分になれたんですがね。
本田靖春といっしょにいった足利(宇都宮だったかも)競馬で食べた「すごく不味いおでんのシューマイ」なんぞの記述もいやあ、ぐいとそういう形而下から抒情を押し込麦術込む技術を持った作家でした。…すごい誤植だ。