文藝春秋の新刊 2003・10 「秋の月」 ©大高郁子

きれいですねえ。日本画のような筆致と色使いに惹かれるな。
山肌全部を遠近法無視でか細く白くでも硬質そうな幹と枝がびっしり描かれていて、そのきめ細かさが美をきわだたせているのだけれど、でもその美しさの本質は緻密や精緻という形容で括れないのだというのはすぐに分かる。作品から匂い立ってくるのは画家の筆致の丁寧さなんだな、そして正確を念じて筆を動かし続ける真摯さではないか。作品をはぐくむ最中にある人の大きく長い息遣いが、月夜に照らされる木々の一本一本をきわだたせ浮かび上がらせている。
リーフレットを開くと、ははぁ大きな文字で「ヤンキー母校に生きる」が。TVドラマ原作ですか。残念ながらドラマも知りません。「青春とはなんだ」「金八」その他、そういうドラマってじつは嫌いじゃないんですけど、21世紀だもんな、ただの熱血ドラマじゃないんだろうな。すんません、どの本買ったのか覚えていないぜ。

文庫チラシコレクション 創元文庫 2007年5月チラシの紹介

2007・5
東京創元社 新刊案内

 夜愁 上・下
文庫新刊ご案内 創元推理文庫
芦原すなお
新・夢十夜

多島斗志之
白楼夢 海峡植民地にて

山口雅也
日本殺人事件

サラ・ウォーターズ 中村有希=訳
夜愁 上・下

アンネ・シャブレ 平井吉夫=訳
カルーソーという悲劇

コナン・ドイル 北原尚彦 西崎憲=訳
ドイル傑作集 3 クルンバーの謎

マイケル・ポンド 木村博江=訳
パンプルムース氏とホテルの秘密

ジャック・ウイリアムスン 野村芳夫=訳
エデンの黒い牙

トーマス・オーウェン 加藤尚宏=訳
青い蛇 十六の不気味な物語

ジョナサン・キャロル 浅羽莢子=訳
天使の牙から

創元SF文庫
フィリップ・K・ディック 佐藤龍雄=訳
最後から二番目の真実

川又千秋
幻詩狩り


単行本新刊・文庫近刊
DVD案内「007 カジノ・ロワイヤル

**海外MYSTERY通信
サラ・ウォーターズ最新作が満を持しての登場。「夜愁」でめくるめく物語をご堪能ください。そのほか、ドイツが生んだ傑作ミステリ、シャブレ「カルーソーという悲劇」をはじめ、ポンド「パンプルムース氏とホテルの秘密」、ドイル「クルンバーの謎」など、新顔から大御所まで盛りだくさんの顔ぶれが揃いました。
**国内MYSTERY通信
多島斗志之コレクション》第4弾は海峡植民地が舞台の「白楼夢」。歴史小説、恋愛小説、ミステリと数々の趣向を凝らす逸品が初文庫化。芦原すなお「新・夢十夜」は題名どおり漱石に挑んだ、素敵に謎めいたお話。日本推理作家協会賞受賞作、山口雅也「日本殺人事件」で、不思議の国ニッポンをご堪能ください。
**怪奇幻想倶楽部
キャロル「天使の牙から」のテーマは死。余命いくばくもないTVスターと、世界的な女優。二人の物語が交差するとき、明らかになる衝撃の真実とは?オーウェン「青い蛇」とともに、待望の文庫化です。ウィリアムスン「エデンの黒い牙」は、幻想文学史上もっとも危険と賞された伝説の傑作。心してお読みください。
**創元SFクラブ
川又千秋「幻詩狩り」はシュールレアリスム運動末期のパリと昭和末期(発表当時)の日本にまたがって語られる言語SFの傑作。当時でなければ成立しなかったアイデアでもあります。その川又氏もファンであるディックも同月刊行。今年、没後25年。「最後から二番目の真実」はサンリオSF文庫以来の待望の新訳です。


かわで 出版の御案内 2007年5月

河出の出版案内。そうだな…20枚くらいは手許にあるかな。河出文庫のチラシも数枚持っているけど、なんとか復活しないかなあ。時々手に入れたい文庫もありますよね。今月(5月)の新刊にはジル・ドゥルーズ「記号と事件」とあります。買っても読まないだろうけどね。

購入したのは「熱中時間」って…エェッ!!

熱中時間―忙中“趣味”あり

熱中時間―忙中“趣味”あり

新刊案内の裏面に「熱中時間 忙中趣味あり」が載ってないぞ。まあ、そういう「新刊案内」もあってもいいのかって、ちょっと不思議だ。─ええと、奥付見ても「熱中時間」5月新刊だけどなあ。
考えてみれば、自分がいま買った書籍に入っている新刊案内に、買った書籍の広告がある必要はないわけで、とはいえそこまでパーソナルな案内を制作する必要はない…でしょうね。
書皮協のありすさんも、当日別のコーナーで出ていた「イロブン」収集家も載っておりました。まあ、それはともかくいやあ、すごいですねえ。のっけの「巨大地上画画家」ってインパクトありすぎ。こうなると自作を芸術として意味をくっつけちゃうクリストなど「ランドアート」の方々がバカに見えちゃうもんね。
その他、「バス恋愛中毒」「野球審判愛好家」などで腰を抜かしそうになった。すごいなあ。
先々週だったか、超ミニ盆栽は見ました。でも、なかなかテレビで見れません。だからこういうカタログ本は大切なんだが、でもちょっと安易な造作だな。画像が汚い。今の世の中、デジタルの時代なんでしょ、でもテレビから得られる画質っていまのところこんなものなのかな。とはいえ、NHKからソースを借りれば資料としても一級の書籍に仕上がったのではと、すこし残念に思いました。

http://www.nhk.or.jp/nj/

NHKのほうのホームページ。あれ?水曜午後10時45分から番組があるのか!って知らないんだからしょうがないよね。