週刊朝日MOOK 武将の末裔

もともとは進取の気質にとんでいたホップス氏だったが、なにより貴族的になり毎朝官報を読み貴族院の様子なども詳しく知るようになったそうだ。

どうしてどうして、あつちへ落ちつくことなんどはまッぴらだ。わしはこれでもあれの側に居て、一寸後見をして居る積りなんだ。若い働きのあるものには結構な國だらうが、矢ッ張り、悪い處もあるな。全體、祖先なンといふことさへないし、侯爵といふものはなほのことだ
       (をはり)

若松賎子訳小公子ラスト部です。どうしてどうして、わたしも士族だの大名だのに興味はなかったのだが、10数年前に文春新書から出た中島繁雄著「大名の日本地図」で急に目覚めちゃいました。司馬遼太郎歴史小説が好きなくらいで、古文書だの歴史学にはまったく興味がなかったけれど{…日本地図」のおかげで三百諸侯という地図上の記号みたいなものが動き近づき、ちいさいなにかをわたしは貰ったらしい。
白石「藩翰譜」とか種本はいっぱいあるけど需要がないのか、時代小説の興隆があってもそれらはわたしをちっとも、知的興奮に誘ってくれない。まあでもこんなMOOKが出るということは、わたしとしても嬉しいかぎりです。
とてもうれしいインタビューがたくさんあって読み応えあったけれど、実をいうと「大名の日本地図」で1万石とかどうでもいい方々の末裔のほうを知りたかったなというのはあります…って、そりゃ自分でやりゃいいじゃんと、いやいや誰かやってよ。