山口晃展 老若男女ご覧あれ

9月29日まで新潟市美術館で開かれていた山口晃展、わくわくして出掛けたんだがほんのすこし欲求不満だったな。どうもなんだかこちら側に勝手な思い入れというか、オフ会で当人に会って幻滅したみたいで、たぶんわたしに問題があるのだろう。
最初の部屋に置かれた「何かを造ル圖」はぐっときてもう見入ってしまった。あと「Tokyo山水(東京圖2012)」は口をあんぐりだ墨絵だものな。とびっくりはそれくらいで多分すごいと思っていた「百貨店圖」や「六本木昼圖」などは、こないだ買った「大画面作品集」のほうでごろりソファでいろんな角度から眺めにやにやしている方が似合っているみたい。
澱エンナーレって何だろうな、村上春樹の回文とかかるたとかと同列で、メインの細密画のために必要な作業なのか、なんというのか回文もかるたも買ったわたしですがあれが「カフカ」とか「アフターダーク」とかの創作の肥やしになったとは思えないし、山口晃の鉛筆数百本画業もアート書道も、芸術のためのどうしても必要な過程には思えなかった。
とはいえ「何かを造ル圖」はいいです、パンフレットにも使われていたし何かお土産になってないかなと帰りにショップを覗いたけど残念です、見つけられなかった。ま、わたしには「大画面作品集」があるのだからそれでいいのかなと、すこし寂しく美術館を後にしました。9月中旬の平日だったが、観覧者はそこそこおられてまあそれはとてもうれしいことでした。