集英社インターナショナル 長沼毅 生命とは何だろう?

著者長沼毅のプロフィールに関してはカバー裏の紹介とWikiとほぼ変わりないか。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E6%B2%BC%E6%AF%85

“フィールドワークを中心に研究を…”と両者に紹介されているんだが、こちらの啓蒙書にはそちら関連からの知識はみられないな。Wikiには光文社新書で「辺境生物探訪記」《deep-scineceというページ》という本もあるので、そちらに関してはそちらで仕入れてちょうだいってことか。地球に生命が生まれた理由、生命の進化の理由、人類というか叡智の理由、その三つの主題を一冊の啓蒙書で紹介するならやっぱりちょっと酸素が不足というか食い足りないという読後感だ。いくつか新説の紹介をしていて「パンスペルミア説」なんて20年前はバカにされていたのだが復活したのね、「表面代謝説」というのは実は全く知らなかったので驚いたけれど、まだ今のところ仮説なのね。あと多細胞生物への進化の説明で内側の細胞と外側の細胞の分業とか、理解できましたね。
でも、いっては何だか人類の云々、これだけのページで人類の来し方を語るのはすこし無謀かと思えた。「あそび」や「たいくつ」などで人類の進化を綴るのならもうすこし強い説得がほしいですね。

前略…
…たとえば動物園のライオンは、狩りをしなくてもエサにありつけるので、退屈しそうなものですが、遊ぼうとはしない。年がら年中、寝ています。もともと獲物を仕留めることに全力を尽くし、食べたら消化のためにひたすら休むというライフスタイルなので、余裕があっても遊ぼうとはしないでしょう。
しかし出アフリカ以降の人々はその知力と技術力で余暇を獲得し遊び始めました。…
…後略
 第五章 人類の未来は“進化”か“絶滅”かより p153

ははあ、よく分かりましたが、できればこちらだけで一冊きちんと記してほしいです、うろおぼえなんだが養老孟司唯脳論で、人類は進化で急に脳味噌が2倍になっちゃって、無駄な余力ができちゃってやることなくて道具だとか社会だとか文明だとかを作るしかなくて、まあいろいろいまの人間社会になっちゃったそうで、それって定説?「あそび」や「たいくつ」で道具や文明ができたんだろうね。