1 2012 新刊案内 東京創元社

MYSTERY通信(海外)
2012年最初に刊行されるのは、リン度の贋作MYSTERY第2作「贋作に明日はない」。芸術とロマンスの合わせ技に注目です。ケリー「火焔の鎖」は新聞記者ドライデンのシリーズ第2作、ヴァルガス「裏返しの男」はアダムスベルグ署長シリーズの第2作。ともに英国推理作家協会(CWA)賞受賞シリーズの最新刊となります。クラシック・ミステリの新薬としてはブルース「死の扉」が登場。歴史教師キャロラス・ディーンの推理がさえる謎解き作品です。本年も東京創元社創元推理文庫をよろしくお願いしたします。
MYSTERY通信(国内)>
新年明けましておめでとうございます。今月は魅惑の3作品。まずは乱歩賞作家の新たな安楽椅子探偵譚から。渋谷のとある店で店長を務める僕が巻き込まれた事件の数々を、同居する友人が瞬く間に解決する。新野剛志「素人がいっぱい」。続いて、クローズドサークルで起こる殺人を、新鋭が直球で挑むフーダニット、田南秀「翼をください」。さらに、大学内で巻き起こる珍事件を愉快な面々が紐解く期待の新鋭のデビュー作、市井豊「聴き屋の芸術学部祭」。上質なミステリをことしもどうぞ宜しくお願いいたします。
FANTASY通信
2012年冒頭を飾るのは、ロマンティックファンタジーの名作「ラメント─妖精の騎士に捧げる哀歌─」。窮地を救ってくれた美しい青年に心ひかれるディアドラ。だが彼の出現を機に、ディアドラの周りで奇妙なことが起こり始める。アイリッシュハーブ、バグパイプと、アイルランド伝統音楽溢れる物語。単行本は、アンドレノートン賞受賞の究極のファンタジー「ほんとうのフローラ」。カリファ共和国が危ない!祖国の危機にフローラが繰り出す秘密部隊究極の荒技とは?絶対に面白いです。お楽しみに。

年末恒例◎ミステリベストテンランクイン

  • 米澤穂信 折れた竜骨
     第1位「2012本格ミステリベスト10」第1位「ミステリが読みたい 2012年版」
     第2位「週刊文春」ミステリーベスト10
     第2位「このミステリーがすごい 2012年版」
  • フェルディナント・フォン・シーラッハ 犯罪
     第2位「週刊文春」ミステリーベスト10
     第2位「このミステリーがすごい 2012年版」
     第2位「ミステリが読みたい 2012年版」
  • ヘニング・マンケル 背後の足音
     第1位「IN★POCK」T文庫翻訳ミステリーベスト10総合部門
     第4位「このミステリーがすごい 2012年版」
     第4位「ミステリが読みたい 2012年版」
     第6位「週刊文春」ミステリーベスト10

「犯罪」はミステリか?犯罪小説でも法廷小説でもない、時代の切り取りというかスナップショットというか、あのアラブ人の兄弟が捜査当局や司法関係者を愚弄翻弄する「ハリネズミ」なんか、すごくいやだな、もし現役弁護士たる著者がこの犯罪一家の代言人だったと思うと(わからないけど)凄く苦い気分になるけど、まあもちろん分からないことだが。「背後の足音」もちょっと評価高すぎではないか、サイコパスが犯人というのは「モルグ街の殺人」とある意味おんなじじゃないのかってね。

東京創元社新刊案内2月は《こちら》にあります