文藝春秋 6月刊 木村俊介 仕事の話日本のスペシャリスト32人が語る「やり直し、繰り返し」

仕事の話―日本のスペシャリスト32人が語る「やり直し、繰り返し」

仕事の話―日本のスペシャリスト32人が語る「やり直し、繰り返し」

こういった書物、けっこう好きでいろいろ読んできた。山口瞳の「世相講談」がわたしにとっては嚆矢かな。いや実は子どもの読み物でいろんな職業のエピソードとかあっただろう。
猪瀬直樹「日本凡人伝」山根一眞メタルカラーの時代」橋口譲二「それぞれの時」それぞれ読みごたえがあったし、なにより啓蒙書として優れた膂力を持っていた。
13歳のハローワーク」以降、NHKで職業紹介番組だったりKidZania(キッザニア)が人気だったりと、職業紹介という分野の美味しさが拡散してきていて、もう少しヘンなものが読みたいとは思っていた。
けれど、ちょっとこちらでは思い切り満足とはいかないかな。西成活裕教授その他、貧乏自慢みたいなシーンなど楽しんで読んだが、なんというかいまひとつ“人生の核心”にまで到達していないんだな。もちろんその昇華させちゃったルポでは、主人公のダークで嫌らしい部分も露見しちゃわなくてはいけないわけで、土門拳みたいに相手から嫌悪されるインタビュアーに木村氏がなれたかというと、これではけっこう物足りなかったかな。えと、西成教授のホームページだけ貼っておきます。

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/tknishi/