2011年5月の新刊 文春文庫


裏面 夏の青春フェア
裏面の裏面 映画案内「プリンセス トヨトミ」

購入したのは中島義道「観念的生活」。とても面白いよみもの、“狂った生真面目さ”みたいなものが結晶化して深遠かつ滑稽で凄惨なドラマが生まれちゃう。

…前略…
われわれは時間の客観的な長さを根底のところで疑っているのだ。それは、端的な実感と常にずれ、常に驚くべきものとしてある。ここに、われわれは確固としてあるように見える客観的世界を木っ端微塵に破壊しうる不発弾を探り当てる。だが、ほとんどの者は、(多分私も)それを活用せずに、やはり「あっという間だった」と呟いて死ぬのである。
 4章 「時の流」という錯覚