文藝春秋 5月刊 奥泉光 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活

「モーダルな事象」のクワコー先生は、なんだかイマイチ感情移入できない人物だった。低能で優柔不断なくせに、ヘンに強気で悪いほうに転がり落ちる。書き方ひとつでダメさ加減が「憎めないキャラ」になりそうでなれないみたいな不甲斐なさを感じた。いやいや、じつは小説のほうがつまらなくて、当時わたしは「蹴りたい田中」に負けているとブログで書いたが、あらら削除したダイアリーだったか。
ま、そのクワコー先生の再登場で、こんなふうな小じんまりしたお笑い学園ドラマのほうが座りがよいと思いました。
でも、第3話で鯨谷、馬沢両学科長のスキャンダルをクワコーと女子大生の推理力で掴んだんだから、こりゃクワコー先生うまく立ち回れば教授に昇格でしょ。ダメダメ教授のなんだかおかしくてみっともない立身出世譚に、今後突き進んでいってほしいです。
カバー画は加藤木麻莉で、クワコー先生ってちょっといい男すぎないか?ジンジンも美人すぎてないかな。でも、なんだか悪い絵ではないみたい。

http://mari.lomo.jp/

でも、准教授のお給料って、本当に手取り11万円くらいなんですか?気になりました。
奥泉光の新刊、2冊ほど見逃していてはやく文庫になってほしい(シューマンはまだまだ先なんだな)のですが、ま、このたびは文春で当たりでと、ほっとしたお買い物でした。