文藝春秋 1月刊 平松洋子 画・谷口ジローサンドウィッチは銀座で

サンドウィッチは銀座で

サンドウィッチは銀座で

単行本サイズよりちょっと大きなA5サイズ。クリーム色の優しい背景にホットカツサンドが美味そう。背表紙の文字も上品ですしなんだかとても愛おしい書籍だ…なのになのに、この平板でうまみをほとんど感じさせない無粋なエッセイっていったい何なの、しばくぞ、こら。平松洋子というエッセイストをはじめて知ったのだが、知らなきゃよかったという後悔ばかり。東海林さだおのエッセイこそこんな上等な装幀で書店に並べてあげたかったぜ。
ミシュランまで行っちゃった、グルメ紹介文体なのでもう、ありきたりでは鼻についてしまっているんですね。ある程度のスノッブや驚き発見なんぞネットやタウン誌にもう溢れかえっているんだし。何というのか平松という書き手である必然が、どこにも一つも見当たらなかった。
でも、雑誌ではどういう扱いだったのか谷口ジローの挿絵がヘンに唐突で、笑うべきなのか呆れたほうがいいのかなどと、書物に異化効果をあたえてはおりました。そこだけは面白くてよかったかな。