読書感想文の夏休み

小冊子を手にすると、毎年のことではあるがいろいろ感慨に打たれます。夏休みの宿題ではないけれど、高校入学が決まった後で、新入生に感想文の宿題が出て、課題図書が何冊か示されていて、ガウスの「…トムキンズ」とかもあったか、「伊豆の踊子」で無難に決めようとして、でもわたしは中学生で、松本清張の「天城越え」読んでて、なんだかこう性の揺らぎを綴り損ねたような中途半端な感想文になった思い出があります。
楽しんで感想文を書いた記憶か?えと、中学2年の課題で、開高健の「パニック」かね。新潮文庫「パニック・裸の王様」というタイトル。内容は短編4編「パニック」「裸の王様」「流亡記」「巨人と玩具」。

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感想文を書いたのは「パニック」、当時NHK第一日曜午後9時からのラジオドラマで驚いた。O・ウェルズの「火星人来襲」のショックをわたしは笑えないのです。
でも文庫を読んだあとでは「裸の王様に一票!」と言挙げしたくなったが、教師に嫌われたくないという自主規制で「パニック」の感想文にしたのだけれど、それはともかくありゃ傑作だったな、時代的には公害病とか全共闘のメタファーだったか。
当時(昭和40年代)私の住居は、関東管区警察の共同住宅で、ある意味過激派のターゲットみたいな場所に住んでました。新宿ツリー爆弾事件、土田邸爆破事件とか、あのころそういう場所に住んでいたのでほんとうのところ9.11的な位置的不安定さを感じたものです。現在につながってる何かの病根。