光文社文庫09年9月刊 浅田次郎 月下の恋人

月下の恋人 (光文社文庫)

月下の恋人 (光文社文庫)

この人が「描きすぎ」てしまったその元の自然な風景のほうがよっぽどドラマなんだよな。ドラマとして美しさの基準・レベルを落としすぎているあたりが不気味、もっと頼りなくエピソードは淡々と進んでほしいのに。なんだかドブ板区議会議員みたいな目線を卑しいと感じてしまって、ごめん、でも変なんだよな。
ダメヤクザを描いた作品、十八史略などどうでもいいんでダメさ加減をもひとつ突っ放して描けないのか。唯一ドラマ化できそうな「告白」も、浅田節を排して再構築すれば…というよりバカっぽく女子高生同士の会話だけでこちらの胸まで実弾を打ち込んでほしかった。