文藝春秋の新刊 2000・10 「古本市」  ©大高郁子

そうか「─市」とは、こうして改めてタイトル見るまで気付かなかった。つまりは特設のブースに板をならべて店からもってきた商品を陳列し終えたおじさんなんですか。そう思うと趣きも違ってくるかと思いきや、あまり変わらんか。
古書店の最奥、レジのあたりで店頭にならべずにあるちょっと値打ちものに囲まれる偏屈親父(若旦那)みたいにみえてなんだかそれはそれで正解みたい。大学生の頃、住んでいた大森、映画を見に行った鶴見そこの2軒の古書店で偏屈親父に嗜めらられた経験を持つわたしです。
当時も今も、けっこう一冊の本を選ぶのに迷って迷って、その迷うのも読書のうちという変な愛書家なんだけどそんなしぐさが怪しいとか、そうでなくても鬱陶しいしぐさに見えるんだろうと自分でも分かるんだがね、もちろん叱られた古書店には怖くてそれ以降近づかなかったけれどね。
それはともかく、この月の古書店主、いい味ですよね、もうすこしこちらのエッセンスを加味してもらえるとファンとしてはとても嬉しいんだけれど。