9月購入 西澤保彦 方舟は冬の国へ

方舟は冬の国へ (光文社文庫)

方舟は冬の国へ (光文社文庫)

何だかよく分からない読書体験でした。ファンタジック・ミステリーと文庫カバーバックの梗概で紹介してあるが“ミステリー”はないだろ─鍵をなくしたお父さんに関するショート推理はいいですよ、そういう路線でいけばいいのにな。
ではファンタジーとか“超能力”小説って括りかというと、まあそんな立派なものでもありゃしない。お伽噺ってか、お子様ランチってか、テレビドラマの原作にもなんないだろな。
西澤保彦って作家、よく知らないのですが(昨年「リドル・ロマンス」読んで感心した)巻末のビブリオによれば1995年「解体諸因」でデビュー後12年で44巻。短時間でネタ切れしたのか、結局パズラーの称号を捨て、こんな似非ファンタジーで痩せた感動を切り売りしてるんだろうか、すこし残念。
はじめて家に入った日、一瞬鏡に先住者が映った。そのあたりでサスペンスが始まるかなって予感があったんだけどなあ。