文藝春秋の新刊 2004・1 「小さな燈台」©大高郁子

胴体の部分、真ん中の出窓がすこしスリリング。暗い夜の暗い海の風景なのかな、空は深緑、凪いでいて波もない藍藻色が海なのか。でもそれにしては水平線がぶっきらぼうな直線だなあ。
ではなくて、灯台の形をした置物なのか。粘度の土台の上にミニチュアというのか、鉄道模型みたいというのか─いや、googleで調べると“ジオラマ”だの“ストラクチャー”だのというみたい。

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とはいえ、鉄道模型のキットの中に灯台があるかどうかは探し損ねた。灯台の周囲はゴルフ場だったり茶畑だったり。などとくさしてしまいました「小さな燈台」。でもさ、わたしが渋面つくるのにだって理由があるんですよ、ほら、並べてみましょか。こちら「春の宵」。

まあ、もちろん「小さな燈台」のほうに深みや作者の心情の沈鬱さなどが表出されてるなんて見方もあるでしょ。作品としての評価はまあ、わたし、ほとんどできないんだけれど、わたしが大高郁子という作家を好きになったのはこんなに心溶かすような筆致となごみの色使いに魅せられたみたいなことだけは、ちょっとだけ書いておきたいと思います。
たいそう遅れてようやく大高郁子コレクションクロニクル、2004年版の紹介が終了しました。夏までには今世紀分は発表できればいいですねって、100枚くらいしかないコレクション、4月くらいには97年分まで発表できてるはずだったのに。
明日のダイアリーで04年版をひとそろえ並べましょう。どこかいい場所にきちんとコレクションルームを置かないとね。