文庫チラシコレクション 2007年2月チラシの紹介

文春文庫 2月の新刊

内田康夫「遺骨」
 画・武田典子
中山可穂
弱法師

藤堂志津子
夜の電話のあなたの声は

筒井康隆
ヘル

笠井潔


藤沢周平
暁のひかり<新装版>

永瀬隼介
Dojo─道場

小林信彦
名人 志ん生、そして志ん朝

海音寺潮五郎
悪人列伝 近代篇

岡田光世
ニューヨークのとけない魔法

池波正太郎
夜明けの星<新装版>

桐生操
世界性生活大全 「愛」と「欲望」と「快楽」の宴

岸本葉子
わたしのひとり暮らし手帖 安心・快適・健康な毎日にする52のコツ

中村うさぎ
壊れたおねえさんは、好きですか?

東海林さだお
どぜうの丸かじり

マルク・デュカン
FBIフーバー長官の呪い
ジャンリーコ・カロフィーリオ
目を閉じて

アルナルド・コレア
キューバ・コネクション

文春文庫PLUS
和田靜香
ワガママな病人vsつかえない医者

文春文庫 藤沢・司馬・池波・平岩フェア

映画案内「パフューム」

スピルバーグが、スコセッジが、映画化を熱望した禁断のベストセラー


パトリック・ジュースキント「香水 ある人殺しの物語」

「Dojo─道場」購入

Dojo―道場 (文春文庫)

Dojo―道場 (文春文庫)

ふたつのOの上には<伸ばす>という意味で小さい横線が入る。無知なものでどうすればここでその文字を出せるのかを知らない。誰か教えてください。タグ辞典中の<特殊な文字>中にある<ô>や<õ>や<ö>とは違うしね。
東京行きの新幹線車中で読了。この小説、何のどこがわるいのか分からないけど結果的には失敗作でしょうね。
燃えよドラゴン」が、まあわたしたち(世代)の水準点(ハードルは相当低いが沸点が高い)です。ということからいくと、ちょっと曲折がね。アクションも華麗じゃないしな。
中年親父のチーマーへの復讐譚・プロレスラーの起死回生・イタリアマフィアの栄光と急降下という具合に、各短編ともそこそこのストーリー性を持ちえているのだが、いかんせん全体としての一貫性、上昇性に欠け、各短編のエンドマークから先へという高揚感をもてなかったのは連作短編としては失敗。
引きこもり高校生が自分のことをべつに好きでもない先輩の屈辱を晴らすために暴力団事務所に殴り込みに行くのを、道場主が後見で、彼の先輩でまあ、影の主役みたいな人物がすべてを納める高倉健みたいな役でって…。
ありえないなあと、まあもちろんふつう思いますけど、ところがそうではないあたりを安部譲二が書いてたっけ。外国人受刑者が府中で、安部譲二の兄貴分なのか、同じく受刑者の身である空手の達人に弟子入りしたなんてエピソードがあったわね。熱血とは違うが、勝ち負けを度外視するというような気分に格闘家たちって、わりとなれるものかもしれない。
道場の経営というあたりに興味もあったのだけれど、残念だがそちら関係もわたしの好奇心を満たしたとは言い切れない。続編もあるそうだけれど、そちらを含めてわたしにカタルシスをくれるのかどうか。あまり期待できないだろうかな。