文庫チラシコレクション 2006年12月チラシの紹介

東京創元社 2006.12
新刊案内
ロバート・E・ハワード 宇野利泰・中村融 《新訂版コナン全集 2》 魔女誕生
伊坂幸太郎 アヒルと鴨のコインロッカー
佐々木丸美 崖の館
谷原秋桜子 龍の館の秘密
近刊

007シリーズ最新刊「カジノ・ロワイヤル」映画案内

海外MYSTERY通信
国内MYSIERY通信(文庫)<単行本)
海外文学セレクション通信

アヒルと鴨のコインロッカー」にかんして「時制が気に入らない」と記したがそのダイアリーは削除した。
「白菊」作者の藤岡真氏がブログの整理をしてなければ「漫画でも読んでなさい」というお叱りの言葉とともに、当時のわたしの日記が残滓として残っているかも。

http://www.fujiokashin.com/diary/8.html

12月2日付「酒とミステリーの日記」です。日々更新されてるダイアリーなのですぐにもっと後方に下がるでしょう。楽しい写真がいっぱいで、ゆっくりと日を遡ってみてきました。北区長に花川よそうたが、なっていたんだ。…というわけで残滓はあります。「アヒルと鴨…」については画像化(ドラマ化といっても脳内処理ということだけれど)は一番の問題であるけれど時制にかんしては、時間の経過というより語り手である女性が…あら、ネタバレか

ここから先の数行、「アヒルと鴨…」のネタバレあり。

…死んじゃうのもへん。セカンドストーリーの一人称主人公なんだから殺してはいけないと思うのはヴァン・ダインの悪しき信者のせいかな。
死んでもいいという立場でだと、やっぱりこういう物語はなじまぬのでは…なんて記すとまた筆禍となるかな。ネタバレ終了。


谷原秋桜子─よく似た俳人の名があるけど、なにか謂れがあるんだろうか─「龍の館の秘密」を購入。11月にシリーズ先行作「天使が開けた密室」が出ていて、こういう購入法はいけないんだろうと思ったとおりでなかなかスピードがつかない読書体験となってしまっている。

この作品は2001年、富士見ミステリー文庫から刊行された「激アルバイター・美波の事件簿 竜の館の秘密」、および未発表短編「善人だらけの街」を加筆訂正しまとめたものです。

と、最終ページに書かれてました。ライトノベルというジャンルでよろしいのか。いやべつに、何もいうことがあるわけじゃないのだが、ステレオタイプな語法話法が、いちいち気になる。つまりそういうお約束が青少年小説では大切なのかと…。


ガスレンジの上でフライパンを動かしていた母さんが、ちょっと手を止め、振り返る。
倉西美咲。35歳。今日の服装は水色の紬に茄子紺の帯、帯じめは鮮やかな緋色。その上に白いレースのエプロンをしている。
まるで、大正時代のカフェの女給さん。でも、それが妙に似合っていた。
(ほんと、美人て得だよなぁ。どんな格好したって、おしゃれにみえちゃうんだから)
わが母ながら、しみじみ感心した。
「今日は偉いのね、一声かけただけで、ちゃんと起きてくるなんて」
珍しく、おほめに預かった。悪夢にうなされ、ベッドから転がり落ちていましたとは、まさかいえない。

  「龍の館の秘密」2より、文庫17ページから抜粋

もういいや、という感じです。まだ何も始まっていないのにこれでは困るが。わたしが新人賞に投稿した原稿も、こんな感じだったのかな。陳腐な筆遣いに読書のスピードがどすんと落ちる。
外国人留学生を雲水として駅前で托鉢させてたという、むかし社会問題になったそういうケースを扱っているようだけれど、どうもそういうダークな部分に到達する前に、生真面目な若葉マークみたいな文体が気になってヒステリーを起こしてしまうかもしれない。


2006.12 中公文庫 新刊案内
西村京太郎 熱海・湯河原殺人事件
森村誠一 犯罪同盟
斎藤栄 日美子の軽井沢幽霊邸の謎
荒巻義雄 全6巻刊行開始
新旭日の艦隊 Ⅰ
今野敏 虎の道 龍の中 中
室井佑月 ぷちすと

室井佑月も、はじめての作家。ああそうですか、高橋源一郎の奥さんだったのね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%A4%E4%BA%95%E4%BD%91%E6%9C%88

ブックオフで「熱帯植物園」100円だったので買おうかなと思ったこともあったけど、もうひとつ乗り切れず、でもまあこうしてショートショートを手にしました、今後ともよろしくって、挨拶してどうする。いい読書体験したならレビュー書きますが、なにしろ前夫のすてきな小説論が先になっちゃいますのでそのへん、すまんことですがよろしく。
「妻が浮気します」ってこういうの、面白いのかねえ。テレビドラマとしては面白いでしょうけどさ。新潮文庫で「電車男」も出ましたなあ。単行本がブックオフで100円で売ってるのに、売れるんだろうかとわたしが心配してもしょうがないけど。