購入したのは 益田ミリ ふつうな私のゆるゆる作家生活

ふつうな私のゆるゆる作家生活

ふつうな私のゆるゆる作家生活

ゆるゆるもきわまったというか、ゆるゆるすぎてレビューの余地なしというか、とはいえ文藝春秋から書き下ろしの漫画エッセイ半生記自叙伝をだしちゃうんだし、わたしが思っているより立派なアートの人なのだろう。
「OLはえらい」という4コマ漫画、あれはなんというのかわたしやわたしみたいな人々、不器用で後悔ばかりのくせに弱みを見せられないタイプ、見栄えのしない一生を送る小市民的人生のティピカルでヴィヴィットな譬えとして「ロバ山ロバ子」がじくじくくすぶり続けるという、まあそういう層がシンパシーを持ってしまう、ちょっといまどきの漫画として注目はしていたのですが、ああ、なんかこうこのひと、イメージより図太くていらつきそう、群ようこがけっこう入ってるねえ、女ってみなそういうところがあるのかと、すこし怖い。
のっけで編集者月旦が続き、辛辣というより好悪や作法などに特化したイジワル視線みたい。フリーになってからの売り込みシーンが挿入されていて、むかしいじめられた憂さ晴らしかとも思っていたが、ラスト付近で有能で高学歴な編集者が登場し、その立派な彼が「でもボクには物語はつくれないですから」と作者を持ち上げ、なーんだ、これをいいたいだけの書き下ろしだったのかよと、大層つまらなく感じた。スタジオパークとか出たがりだったりするんじゃないの?そういうタイプのOL生活にはみえなかった(漫画でも自分を美化していたの?)ので、謹んで益田ミリさんにパーマネント野ばらからのお言葉を贈ります。

ええねん、わたしら
若いときは世間さまの
注文した女、
ちゃんとやってきたんや
これからは
わたしもあんたも
好きにさせてもらお

好きにしてくださってけっこうですが、あのつまんない幻冬舎チラシ裏の漫画、まだ続くのかなあ。