光文社文庫08年1月刊 勝目梓 ボディーガード午前四時

ボディーガード午前四時 (光文社文庫)

ボディーガード午前四時 (光文社文庫)

40歳代前半くらいまでわりと読んでいました、こんなサスペンス小説、官能のおまけつき。Vシネマなんぞもレンタルでみていました。しかしまあ過激派の息子がキーパーソンだもの、歴史を感じるぜ─87年角川文庫と奥付前に記してあって文庫書き下ろしか。どういう経緯で20年後に再文庫化がなった理由は不明。20年昔のアクション小説が面白いかといわれると、書き割りみたいでほとんど広がりを感じさせないシーンの連続で少し辛い。主人公と懇ろになった秘書が簡単に盗聴器を取り付けテープを届けるみたいな紋切り型をいまさら読まされイライラしちゃう。
あなたが紋切り型で片付けたその場所が、ほんらい最高のスリリングなテーマなのだという当たり前のことを逢坂剛原籙高村薫たちが示して見せてもう20年。ま、ミステリ読むのも疲れる作業になってしまったわけですので、ほらこの際新古典派といわれる方々が、読みやすくかつ重厚な…って、ワハハ、ミステリをじゃんじゃん読みたいです。