集英社文庫07年5月刊 石田衣良 1ポンドの悲しみ

1ポンドの悲しみ (集英社文庫)

1ポンドの悲しみ (集英社文庫)

石田衣良の作品はこれがはじめて。そして購入してから1年近く読む気になれずにウェイティング書棚にあったのだがようやく読む機会が。今年から今までと違う職場に応援に行くことになり、ついでに始業時間が2時間早まった。
だもんで午前4時に起き午前5時に家を出る暮らしが始まり、ラジオ深夜便で爺の説教聴きながら眠い目で新聞を読み、リンゴやバナナを一口食べて甘い紅茶を飲みながら、ゆっくり目を覚ましてゆくというのが朝の一齣。その途中での軽い読書、短編ひとつづつ読んでいって、まあ数日で読み終えた。そういう読み方がよく似合うというのか、今後もそんな書籍が必要だと算段しています。
小説としてはあまりに軽くて挫折もなくてバカバカしくて「おまえさ、恋愛のあとでどういう悪意や齟齬や倦怠が待ってるか分かってこんなの書いてんのかよ」と文句をつけたくなる。江國香織川上弘美が恋愛の後始末のすったもんだを、辛辣な筆であれだけ書いてて、でもそれなのに“まだこんな恋愛賛歌は辛いぜ”という気分ではあるけれど、寝ぼけた脳に刺激の読書としては、けっこうよろしかったのではないでしょうか。
とはいえ「スローガール」…これ、このあと展開はどうなるんでしょうか、わたしはとても怖いけど著者は品質保証しなくていいの?