文藝春秋の新刊 2002・4 「ミラノの本屋」 ©大高郁子

幾種類かの青がクールだから店内の柔らかな暖かさの予感が心地よい。でもまあ、ヨーロッパの普通の書店ってわたしにはイメージがまったく浮かばないので「ああ、ミラノのあれか…」といえないのが残念。
アジアの書店ならすこしはみている。15年前の上海では、まだまだ店員が威張ってる時代で店員と客との喧嘩(みたいな商談)にそうとう驚いた。日本みたいに開架の書架じゃなく、店員に聞かないと現物を取ってもらえない。ああそれなのに、店員同士でお喋りしていて客など眼中にない。店は暗いしどこが本屋だかよく分からなかった。
香港の書店のほう、威張るどころかこちらはなんだか貧相だったな。平屋の駄菓子屋然としていて近所にあった金魚屋のほうがカラフルで楽しげ。実用書や書道の本みたいな地味な書籍が多いし、だいいちお客がいない、中国人の店主と2人で狭い店内にいるあつかましさはわたしにはなかった。カラフルな料理書や地図なんぞを探したいんだけどざっと店内を一瞥したかぎり見つけることができなかった。
屋台というのか、夜の市街ではもろみえエロ本ほか、多くの雑誌を置いてある店をいくつもみたんだが、一見さんで冷やかせなかったのが残念。
ヨーロッパの書店に関しては鹿島茂の買い物譚などで雰囲気を知ったような気がしていたのだけれど、でもこうしてイラストで紹介してあると、どうも整合性が怪しくなるのであった。“ヨーロッパの書店”でgoogleイメージでみてみようか…(残念、すてきな画像は見つけられなかった)…。